私の元に転職相談へやってくる転職希望者から、面談の際の身だしなみやスーツについて質問を受けることがよくあります。
近年は特に、夏に企業側がクールビズをおこなうなど、転職希望者からすれば、身だしなみを迷ってしまうようなこともよくあるので、念のための確認というような形で私への相談も多くなってきました。
面接では、第1印象で全てが決まるとはよく言われるものですが、実は、この言葉は、あながち間違いではありません。
つまり、面接となると、身だしなみが見るだけでわかってしまうスーツは、非常に大事だということになるのです。
そこで今回は、今まで私が、面接官をやってきた経験を通して、転職活動の際のスーツについてお伝えいたしますので、転職活動の際のスーツなどに困っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
転職面接はリクルートスーツじゃだめ?
「転職面接はルクルートスーツではダメでしょうか」
これは、第2新卒の転職希望者や、新卒採用で入った企業をすぐに辞めた後に転職活動をおこなう転職希望者からよく聞かれる質問です。
結果的に言えば、多くの人がリクルートスーツではだめだと言えます。
リクルートスーツは、デザイン面で言えば、黒などを基調にしたものが多いでしょう。
多くの人が見るようなリクルートスーツを着ている人を見たときに、あなたなら、印象としてはどのような印象を抱くでしょうか。
おそらく、多くの人が「就活生」という印象や、「若い」という印象を受けるでしょう。
逆にビジネススーツで、カジュアルに着こなしたうえで、柄などにも気を配っている人を見たときには、どのような印象を受けるでしょうか。
おそらく、「ビジネスマン」や「仕事をやっている社会人」との印象を抱くでしょう。
もうここでお分りいただけたかと思いますが、リクルートスーツを着ている人は、服装からして、新卒のイメージしか抱かれないのです。
つまり、服装だけでキャリアを何も積んできていない人との判断をされてしまいます。
さらに、業界などによっては、リクルートスーツを着ていると、最悪な印象を与えかねません。
例えば、ファッション業界です。ファッション業界に転職面接に行った際に、リクルートスーツを着ていると、スーツでもおしゃれができない人がファッション業界によく志望しているとまで感じられてしまう可能性もあります。
社長に就任した人が、他社との会食などを気にして、時計をある程度良いものをつけているように、社会人にとっては、身だしなみであるスーツが、今までのキャリアや、その人の社会人としての格を表すものになっています。
リクルートスーツを転職面接に着て行くことは、ある程度キャリアを積んだ人であれば、論外です。
ただし、新卒で入社したての会社を辞めて、それからまたすぐに転職面接に向かった際には、逆にリクルートスーツを着ていなければ、図に乗っていると判断されてしまいます。
場面と、自分の立場をうまくわきまえた服装は大事なのです。
転職面接のスーツはグレーはNG?おすすめの色は?
「転職面接の際にスーツの色はグレーはだめでしょうか」
「おすすめのスーツの色はあるでしょうか」
転職面接の際に選ぶスーツは、面接官に派手だと思われなければ、グレーでもネイビーでも大丈夫です。
ただ、転職面接は、スーツの色や、シャツの色など、変なところで目立ってしまっては評価が下がってしまいます。
そこで、避けておきたいのは、華美な色のスーツや、スーツの生地によるラインやチェック柄、ストライプなどです。
社会人が仕事中に唯一できるおしゃれとして、スーツは力を入れたいという気持ち自体はよくわかります。
ただし、面接の場では、そのおしゃれが行きすぎると、派手すぎるということで、服装面だけで評価を落としてしまうことにつながりかねません。
黒や紺といった色のスーツにしておき、光沢がないようなスーツを選ぶことで、無難にどのような転職面談にも対処できます。
さすがに、ファッション業界などのクリエイティブ職の転職面談であってとしても、のっけから派手すぎるスーツを着てくれば、派手すぎるということで、第1印象を悪くしてしまいます。
基本的には、どの業種でも、どんな面接官にも、派手と思われないように受けいれてもらえるようなスーツで、転職面談に向かいましょう。
夏でもネクタイやジャケットは必要?
「クールビズの季節ですが、ネクタイやジャケットは必要でしょうか」
クールビズの季節になるとこのような質問を受けることがありますが、私は即座に「当たり前です」とお答えいたします。
クールビズは、あくまで、社内だけでの取り組みであって、それが世の中の定例になりつつあって常識と誤認されていることが多いように思います。
ただ、繰り返しますが、あくまで、クールビズは、クールビズをおこなっている会社の社内だけの取り組みです。
転職面談の時点では、その会社の一員でもないので、夏でもネクタイやジャケットは必ず必要となります。
仮に、ネクタイやジャケットを着用せずに転職面談に望んだ場合に、服装を見た面接官が感じる第1印象は、最悪です。
ただし、夏も最近は酷暑なので、場合によっては、ネクタイやジャケットを脱いでの来社を許可されることもあります。
その場合のみ、ネクタイやジャケットはしていなくても大丈夫でしょう。
スーツのインナーならユニクロやしまむらのもので大丈夫?
「スーツのインナーならユニクロやしまむらのものでもいいでしょうか」
近年は、スーツのインナーも男性用も女性用も、ユニクロやしまむらなどで安く購入できるようになってきました。
そこで、特に若い転職希望者から、男性女性関係なく聞かれているのが、上記の質問です。
私としては、辞めた方がいいと考えています。
ユニクロやしまむらでのインナーは、確かに人気で、転職面接以外の場で着用している人も多くなってきました。
だから辞めた方がいいと考えているのです。
転職面談の際の服装として、避けることは、相手に悪印象を持たれないことです。
ユニクロやしまむらで購入したインナーだと判断できる面接官が担当だった場合に、悪印象を抱かれます。
あなたなら、自分の会社の面接官だとして、インナーがユニクロやしまむらなどの値段が安く手に入るような服装で転職面接に来た転職希望者をどう思うでしょうか。
決して、ユニクロやしまむらのインナーが劣悪だとは考えていませんが、転職面接という場の場合、服装でマイナスになる可能性は避けておかなければなりません。
そこで、悪印象を抱かれる可能性を排除するという意味で、全ての悪印象を抱かれそうな可能性は排除しておきたいということです。
普段使いのインナーなら、なんの問題もありません。
転職面談の際に意外と見落としがちなバッグやカバン
スーツや、インナーなどをすべて新調している人を見て、悪印象を抱く人はいないでしょう。
ただし、意外と見落としがちなのが、バックやカバンです。
私の経験上、バックやカバンは、服装のうちの1つとして面接官は見ています。
気をつけておきたいのが、仮にバッグが黒であったとしても、女性でよくあるのが、ボタンが華美なバックを使っている場合です。
バックが華美な色を使っていると目立ちます。また、華美なばっぐで面接に来た場合に、面接官が抱く印象は、言わずもがなそんなに良い印象ではありません。
さらに男性でも、最近はリュックでの通勤が多いことから、転職面接にまで、リュックでやってくるという事例を聞いています。
中には、手ぶらで入ってきたという男性をとある企業の採用担当から聞いたことがあります。
手ぶらで入ってくることも失礼に当たりますし、リュックを背負って転職面接に来ることも、失礼に当たります。
バッグは、男性も女性も共に、服装の一部なので、ビジネスバッグを利用することをおすすめします。
女性が気を付けるべき面接の服装
女性は男性と違って、服装の一部に化粧が含まれているので、非常に大変だなという印象があります。
女性が気をつけるべき面接の服装は、スカートスーツでも、パンツスーツでも、どちらでもスタイルは構わないので、なるべく清楚に近づけてスタイリングするということです。
女性は受付や応対などを基本的に求められるので、髪型などが華美でない方が望ましいでしょう。
また、女性は男性と違って、スタイリングも個人によってある程度カスタムが可能です。
ですが、根底に置いておいて欲しいのは、華美にいかないことです。
あくまで、清潔感を保ったスーツの色選びなどをおこなって、自分なりのスタイリングとしておきましょう。
男性が気を付けるべき面接の服装
男性が気をつけるべき面接の服装は、以外にも、靴やベルトです。
冬にコートをきて転職面談に行った際に、靴に少し雪の水滴がついていたり、ベルトの着用を忘れていたなんてよくある話です。
日本のビジネスにおける服装としてのスーツの役割の中には、勝負服という要素もあります。
つまりは、取引先との重要な契約の際に、靴を磨くなどといった行為のことです。
「勝負服を着るときでないのか面接は」服装の乱れはつまりはこのように転職先の面接官に印象を与えてしまうということです。
それであれば、私は、面接の際は、スーツはさすがに値段が張るので、スーツ以外は、新調をしても良いぐらいだと考えています。
服装として、勝負に出ていることを誇示する側面もあるので、見える部分は徹底的に気をつかうことが男性の面接の際の服装には求められます。
通販で買うより専門店に行こう!
「通販で安いスーツを見つけたのですが転職面接にこのスーツで行っても大丈夫でしょうか」
最近は、通販の発達で、スーツの販売店が通販などもおこなうようになってきました。
実際の店舗よりも安価で手に入れられるために、通販のスーツを利用したいという人もよくいます。
ですが、私は、転職面談の際に着用するスーツは専門店に行くべきであると考えています。
専門店に行くと、転職面接の際にスーツを新調する場合には、「転職面接があり、その後もスーツを着用したい」との旨を伝えれば、それに見合った色や柄のおすすめスーツをコーディネートしながらおすすめしてくれるはずです。
さらに、着丈などのサイズもしっかりと計ってくれるので、ちょうど良いサイズのスーツに仕上げてくれます。
とくに、初めて転職面接に行く人などがそうですが、転職面接にも関わらず、あまり適していないコーディーネートで面接に臨んでしまうということが多くあります。
それを事前に私の元に転職相談に来た転職希望者へ指摘すると、たいていの転職希望者が通販でシャツや、ましてやスーツなどを取り揃えているということがあります。
つまり、私の経験上、通販で買っている人は、よっぽど自分でサイズなどを考えて購入していなければ、転職面接にはふさわしくないスタイルのスーツになってしまうこともあるのです。
もちろん、安価であるので、通販はインナーなどで利用したいところではありますが、転職面接以外の場面で利用しておきたいところです。
身だしなみのせいで低評価なんてもったいない!
身だしなみだけで転職者を低評価として不採用にした。これ、意外とよく聞く話です。
転職面接の面接官を担当する社員は、以外にも服装に関しては、高い水準で評価しています。
服装が少しでもだらしがないと、男性も女性も、共に低評価を与えられることはざらにあります。そんなことは避けておきたいところですし、服装さえしっかりしておけば避けることができるのです。
面接は、本来であれば、転職希望者との会話を評価する場になるので、服装で低評価を付けられるようなことは、本当にもったいないのです。
スーツをしっかりと着こなして、逆に高評価を受けていきましょう。