この記事では、転職エージェントの仕組みに関する裏事情やキャリアアドバイザーの本音などから分かる、エージェント業界の裏側と実態をご紹介します。
また、裏事情を把握した上で転職エージェントを上手く活用するためのコツについてもお伝えしていきます。
裏事情を知った上で転職エージェントを上手く活用することができれば、エージェントの都合に振り回されることなく転職活動を進めていくことができるようになります。
転職エージェントに登録するか迷っている人・エージェントを利用中で何か不満を感じている人は、是非参考にしてみてください。
エージェント業界の仕組みに関する裏事情
裏事情①転職エージェントの収入源は求人企業からの成功報酬
転職エージェントのサービスはすべて無料で受けることができます。
ですが転職エージェントはボランティアで転職支援をしている訳ではありません。
ビジネスとしてサービスを提供してくれているため、当然ですが利益を出す必要がありますよね。
どこで利益を出しているのかといと、転職エージェントは、求人を発注した企業から報酬を受け取ることで利益を出しているのです。
つまり、転職エージェントの収入源は求人企業からの成功報酬なのです。
人材を採用したい企業は転職エージェントに求人の依頼を出しますが、この時点で転職エージェントに報酬が発生することはありません。
求人企業のニーズに合致する人材を紹介し、内定が決まり入社してもらった段階で初めて「紹介手数料」という形で転職エージェントに報酬が発生するビジネスモデルとなっています。
紹介した転職希望者と求人企業との間で雇用契約が結ばれない限り、転職エージェントには利益が発生しません。
そのため、転職エージェントは求人企業に転職希望者が入社できるよう、適切なマッチングを行ったり様々な手厚い転職サポートを行ったりするわけです。
裏事情②紹介手数料の相場は転職者の年収の25%~35%
転職希望者が無料でサービスを提供してもらえる仕組みは分かりましたが、転職エージェントは企業からどれだけの報酬を受け取っているのか気になりますよね。
求人企業が転職エージェントに支払う紹介手数料は企業によって様々です。
大手か中小企業かによっても異なってきますが、基本的な相場は「転職者の年収の25%~35%」と言われています。
例えば
あなたの内定条件に出ている年収が400万円で手数料が35%の場合・・・
転職エージェントは求人企業から、400万円×35%=140万円を報酬として受け取ります。
600万円の場合は、35%の210万円を企業から受け取ります。
このように、転職エージェントは一件一件の成約が大きくなっています。
景気や企業の採用活動状況などによって報酬は左右されてしまいますが、人材紹介業は原価がかからないので、利益率が高いビジネスと言えます。
裏事情③転職エージェントと求人企業間で返金規定を設けている
転職エージェントの収入源である紹介手数料には、「返金規定」というものが存在しています。
返金規定とは、「紹介して入社した人材が入社後〇ヶ月以内に退職した場合は、その就業期間に応じた金額を企業に返金する」という取り決めのことを指します。
例えば
1か月以内の退職で80%
3か月以内の退職で50%
6か月以内の退職で20% の紹介手数料返還というような規定を事前に設けておく
転職者の年収が400万円で、紹介手数料を35%でもらったが、
転職者が1か月で退職した場合・・・
400万円×35%=140万円×80%=112万円を企業へ返還
上記のような形で転職エージェントと求人企業間で事前に契約が取り交わされています。
返金の必要がある期間は、1か月から最長でも6か月までの間で設けられることが多く、それを超えた時期の退職に対する返金の必要はありません。
また、紹介手数料が安く設定されている場合は、返金規定が設けられていないケースもあるようです。
裏事情②でお伝えしたように利益も大きいですがリスクも大きいため、転職エージェントはミスマッチを減らすために日々努力をしています。
裏事情④転職エージェントの本質的なお客様は求人企業
転職エージェントは、求人企業から受け取る成功報酬(紹介手数料)で利益を得てビジネスを成り立たせています。
人材を採用したい求人企業が転職エージェントに求人依頼を出し、エージェントは自社に登録している転職希望者の中から企業ニーズにマッチする人材を企業に紹介するという仕組みになっています。
その仕組みからも分かるように、転職エージェントは「転職希望者の転職サポートをする機関」である前に、「企業側の採用をサポートする機関」なのです。
そもそも企業から求人をもらうことができていないと、いくら転職希望者に求人を紹介したくても紹介することができません。
そして、求人企業のニーズにマッチする人材を紹介し採用代行としての役割を実行することができなければ、報酬をもらうこともできないのです。
そういった観点から、転職エージェントにとっての本質的なクライアントは、求人企業だと言えるでしょう。
もちろん、転職希望者も大切なお客様であることには変わりませんし、転職希望者の希望に沿った転職サポートを行い満足のいく転職を実現してもらうことは、転職エージェントの重要な役割です。
ですが、求人企業から高い報酬をもらう以上、転職エージェントは採用代行役としてそれに見合った人材を紹介しなければなりません。
そのため、求人企業のニーズ・都合・状況背景などを優先した言動をとる傾向があるのもまた事実です。
裏事情⑤キャリアアドバイザーと対企業担当者は異なっている
転職エージェントには、企業担当と転職者担当、2種類のアドバイザーが存在しています。
企業担当は、リクルーティングアドバイザーと呼ばれており、以下のような対企業業務を担当します。
●企業側の採用担当者から会社情報・求人情報を収集
●人材の売り込み
●面接対応
●年収交渉など
転職担当者は、いわゆるキャリアアドバイザーと呼ばれており、以下のような求職者の転職支援の担当します。
●登録後の初回面談
●求人紹介
●面接の日程調整
●選考結果の通知など
多くの転職エージェントでは、キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーは別の人が担当するスタイルを採用しています。
なぜ分離スタイルをとっているかというと、特に大手の転職エージェントではキャリアアドバイザーが1人で担当する転職希望者が多く、担当を分けないと対応しきれないという事情があるからです。
窓口が分かれている分転職までのスピードが速いというメリットがある反面、各アドバイザーの間で認識にズレが生じやすいというデメリットもあります。
そのため、希望や条件を明確に提示しないと、アドバイザー間で情報共有されず希望と異なる求人ばかり紹介されるといったことになりかねません。
意思の疎通をスムーズ且つ正確に行うためにも、担当者が分かれていることを意識してコミュニケーションをとっていくことが必要ですね。
裏事情⑥キャリアアドバイザーにはノルマがある
どこの一般企業にも当てはまりますが、会社を存続・反映させていくためには利益を出さなければいけませんよね。
転職エージェントの利益は、転職希望者の入社が実現して初めて発生します。
そういったビジネスモデルになっているため、多くの転職エージェントでは各キャリアアドバイザーにノルマを課しているケースがほとんどです。
キャリアアドバイザーの評価指標
期間: 週間・月間・年間
指標: 面談回数・応募数・面接回数・選考通過率・売上額・内定決定人数など
例 : 週に何人面談を組みましょう
____週に何人推薦しましょう
どのようなノルマが課せられているか・どのくらい紹介したら評価が上がるのか、具体的な内容は明らかになっていませんが、目標達成できなかった場合は減給される・賞与が出ないといったケースも中にはあるようです。
そのため、キャリアアドバイザーは、少しでも多くの転職希望者のサポートをして転職成功へと導いていく必要があるのです。
各キャリアアドバイザーも1人の営業でノルマを抱えているということを把握した上で、紹介された求人は本当に自分に合っているか・自分の希望に沿った内容の求人か、冷静に判断することが必要でしょう。
裏事情⑦求人票に表記されていない裏の応募条件がある
求人票には「記載してはいけない項目」が存在します。
求人票に記載が禁止されている事項
性別を制限するような表現
年齢を制限するような表現(一部例外有り)
居住地国籍、身体条件などを制限するような表記
最低賃金以下の給与の表記
参照:男女雇用機会均等法、改正雇用対策法
このように、法律によって記載が制限される項目が存在しているのです。
ですが実際のところ、求人票に表立って記載できない条件を設けた求人依頼を出したいと考えている求人企業も存在します。
例えば、「女性のみ」や「30歳以下」などです。
そのため、「求人票に記載はしていないが、転職エージェントが求人企業からヒアリングをして把握した応募条件を、裏の応募条件として設定しているケース」があるのです。
応募条件を満たしているはずなのに応募させてもらえない・なかなか書類選考が通過しないといった場合は、この求人票に記載されていない裏の応募条件に合致していない可能性があります。
そういった場合は、キャリアアドバイザーに直接確認してみることをおすすめします。
裏事情⑧転職エージェント内で社内選考が行われている
転職エージェントから紹介された求人に応募すると、企業へ応募書類が送られる前にエージェント内で社内選考を行うことがあります。
社内選考を行っている主な理由は以下の2つです。
●求人企業の要件に合わない人材を紹介することはできないため
●明らかに書類選考を通過しない人材を推薦する時間を省略するため
転職エージェントは、求人企業の採用活動の代行という役割を担っているため、企業が求める条件とマッチする少しでも精度の高い人材を紹介することを企業側から求められています。
要件に合わない人材を推薦されてもありがた迷惑ですし、高い紹介手数料を払っているのに的外れな紹介ばかりする転職エージェントには、人材紹介を頼み続けたいとは思いませんよね。
求人ストップをかけられてしまうと、転職エージェントは収入源を失ってしまうため、精度の高い紹介をしなければならないのです。
裏事情⑦で触れた裏の応募条件を満たしているかを、この社内選考を通し判断していることも多いようです。
転職エージェント側も限られた時間の中で成果を出すために、明らかに企業の応募条件に満たない人材を企業担当者の部分で推薦を止める、といったような方法を取ることがあるのです。
裏事情⑨優先度によって面談場所を変えることがある
転職エージェントに登録後、担当のキャリアアドバイザーと面談を行いますよね。
面談場所は転職エージェント側から指定されることが多いのですが、その面談場所がどこかによって「優先的に面談をしたいと思っている登録者かどうか」を判断することができます。
転職エージェントが面談をする場所は主に3つあり、それぞれの優先度は以下のようになっています。
面談場所 | 優先度 |
---|---|
喫茶店・カフェ | 非常に高い |
転職エージェントの拠点 | 一般的 |
電話 | 低い |
基本的に転職希望者が転職エージェントのオフィスに出向いて面談を行う場合が多いです。
ですが、ハイキャリアな人の面談を行う際は、競合他社にとられないようなるべく早く面談を行う必要があります。
そのためにも、転職希望者が出向きやすいカフェや喫茶店などを面談場所として選ぶことがあるようです。
また、登録情報から転職サポートの提供が難しいと判断した場合は、直接会うのではなく電話での面談を提案されることもあるようです。
限られた時間の中でできるだけ効率よく成果を出すことを求められているので、優先度の高い順に対応していきたいと考えるキャリアアドバイザーは多いです。
もし何か特別な事情もなく電話面談をすることになったら、直接会って話をしたいと転職エージェントに転職意欲をアピールすることが大切です。
キャリアアドバイザーの本音
本音①面談で売り込み可能な人材かを見極めている
キャリアアドバイザーは、「内定の可能性がある人・企業が求めているような人を優先的に対応したい」と考えています。
前述したように、転職エージェントは求人企業の採用代行の役割を果たさなければならないため、求人企業に推薦できると思える人でなければ転職支援をする意味がありません。
また、成功報酬型なので成果に結びつく人材を優先的に売り込みたいと思うのは当然です。
そのため、求人を紹介する前に「売り込み可能な人材か」「企業が求めているような人材か」といった視点から登録者を見極めているキャリアアドバイザーは多いです。
売り込み可能な人材でないと判断されるようなケース
●紹介できる求人が1件もない
●身だしなみ、マナーが悪い人
●アドバイザーに対し横柄な態度をとる非人 など
面談時は、経歴やスキルなどだけではなく人間性も見られています。
そのことを意識して臨み、キャリアアドバイザーとは真摯に向かい合うようにすることが大切です。
本音②優先度の高い人から対応したい
キャリアアドバイザーは並行して多くの転職希望者を抱えているため、すべての人に対し同時に同じレベルの手厚いサポートを提供することはできません。
緊急度や転職希望者の状況等から優先順位をつけ対応していく必要があります。
また、転職エージェントの利益が転職者の年収によって左右されてしまうという背景もあるため、年収の高い人を優先的に対応したいと私欲のために優先順位を設けているキャリアアドバイザーも中にはいます。
優先的に対応されやすい人
●すぐに転職活動を始めてくれそうな人
●転職が決まりそうな人
●年収の高い人
●人間性の高い人
ノルマに追われ売上に繋がる人を優先的に対応するキャリアアドバイザーばかりではありませんが、多くの転職希望者を一人で抱えている状況なので、どうしてもフォローの手厚さに差が生まれてしまうことはあります。
そういった場合、転職が成功しそうな人・すぐに転職活動を開始しそうな意欲の強い人・身だしなみやマナーがしっかりしている人からサポートする傾向にあるので、転職の熱意をアピールすることが大切です。
本音③なるべく紹介手数料が高い企業を紹介したい
キャリアアドバイザーが求人を紹介するときは、なるべく紹介手数料が高いところに紹介したいと考えています。
ビジネスをする上で、より売上や利益につながるクライアントを優先することは当然のことですよね。
前述の通り、紹介手数料の割合は求人企業によって異なります。
そのため、転職エージェントがおすすめしてくる背景には、「転職希望者にマッチした案件だから」ということもあると思いますが、「より紹介手数料が高い求人だから」という意図がある可能性も大いにあるでしょう。
本音④採用ハードルが低い企業を紹介したい
転職エージェントは、求人企業にいくら多く人材を紹介したとしても、転職希望者に対しいくら手厚くサポートをしたとしても、紹介した転職希望者が採用され入社してもらえなければ報酬は発生しません。
このようなビジネスモデルである以上、キャリアアドバイザーは採用ハードルがあまりに高い求人企業に対しては積極的に紹介したがらない傾向があります。
つまり、転職希望者の「行きたい企業」よりも転職希望者が「転職できる可能性の高い企業」を優先的に紹介するケースがあるということです。
「受かる企業」を優先的に紹介したい理由
●なるべく早くかつ効率的に売上につなげるために、より受かる可能性の高い企業から受けてほしい
●そもそも求人企業のニーズに合わない人材を紹介できない
担当のキャリアアドバイザーがあなたにおすすめしてくる求人も、採用ハードルが低い(=紹介手数料がもらいやすい)ものである可能性があります。
採用されやすい求人を紹介されるのは、早く転職を決めたい人であればメリットになり得ますが、希望がないがしろになっている可能性もあるので基本的にはデメリットになってしまうでしょう。
もちろん、すべてのキャリアアドバイザーがこういった考えのもと求人紹介を行っているわけではありません。
ですが、あまりにも希望と異なる内容の求人ばかり紹介される場合は注意が必要です。
本音⑤なるべく早く入社してほしい
裏事情⑥でお伝えした通り、キャリアアドバイザーには営業職としての売上目標(ノルマ)が存在します。
この課せられたノルマを達成することがミッションであり、この達成率でボーナスや昇給が決まるので、キャリアアドバイザーが職務に当たる上で最も重要視しているものと言えます。
その月のノルマがまだ達成できてないキャリアアドバイザーであればならおさら、「なるべく早く売上(=紹介手数料)を得たい!」という思いが強くなるのは必然です。
そのため、キャリアアドバイザーによっては転職希望者に対して転職を急かしたり・内定承諾の意志決定を急かしたりと、なるべく早く入社してもらおうと躍起になっている可能性があります。
早く転職したいという希望を持った人であれば利害が一致するので問題ありませんが、じっくり時間をかけて転職活動をしたいという人にとっては、不本意な結果を招いてしまうことも考えられるので注意が必要でしょう。
転職エージェントの裏事情を知った上で賢く活用するためのポイント
ここまで見てきた転職エージェントの裏事情やキャリアアドバイザーの本音を踏まえた上で、転職エージェントを有効活用するために押さえておくべきポイントをご紹介していきます。
裏事情から見えてきた、「転職エージェントを上手く活用するために必要なこと」は主に以下の2つです。
ポイント①自分の優先順位を高める行動をする
__●早く転職したいことを伝える
__●転職意向の強さをアピールする
__●キャリアアドバイザーとのやり取りは迅速かつこまめに取る
__●登録時の経歴情報はできるだけ詳細に書く
__●転職エージェントを複数利用する
ポイント②最終的な判断は自分で下す
__●ここだけは譲れないという妥協できないポイントを伝える
各ポイントごとに、具体的にどんなことをすればいいのかをそれぞれ見ていきましょう。
ポイント①自分の優先順位を高める行動をする
転職エージェントを有効利用するためにまず押さえておきたいことは、キャリアアドバイザーの中のあなたの優先順位を高める行動を取ることです。
優先順位を高めることができれば、積極的に転職支援を行ってもらうことができ、結果的に満足のいく転職を実現できる可能性を高めることに繋がります。
では、キャリアアドバイザーの中のあなたの優先順位を高めるためには、具体的にどんな行動を取ればいいのでしょうか。
おすすめな方法を5つご紹介します。
早く転職したいことを伝える
転職エージェントを上手く利用したいなら、「なるべく早めに転職したい」と伝えましょう。
そう伝えておくことで、キャリアアドバイザーの中のあなたの対応優先度を上げることができます。
転職エージェントは、成功報酬型というビジネスモデルのため、より早くより効率的に転職希望者に内定を獲得してもらい紹介先企業へ入社してほしいと考えています。
なぜなら、転職希望者が早めに転職するということは、早めに紹介手数料を受け取れるということであり、ノルマが1つ達成できるということになるからです。
そのため、今は転職を考えていない人・良い求人があったら転職したいと思っているような人の優先度は低くなり、今すぐにでも転職したい人の方が優先度が高くなります。
転職エージェントに登録する際に「転職希望時期」を必ず聞かれるのはそういった背景があるからで、どれだけ早いタイミングでの転職を検討しているのかは、キャリアアドバイザーが優先順位を決める際のとても大きな判断材料となっているのです。
あなたの対応優先度を高くするためにも、転職希望時期は「すぐにでも」や「3か月以内」を選択しておくのがおすすめです。
転職意向の強さをアピールする
転職希望時期が早いタイミングだと伝えることの他に、転職意向の強さや熱意を示しておくことも重要です。
「転職は確実にしたいんです!」というスタンスを伝えておくことで、キャリアアドバイザーのやる気や熱量を高めることができます。
キャリアアドバイザーは1人で何百人という求職者を対応しなければなりません。
そんな状況下では、転職活動を真剣に行っていない人・転職を成功させたいという気持ちが感じられない人よりも、「絶対に転職を成功させる!」という熱意を持っている人を優先的に求人企業へ紹介したいと思うのは当然ですよね。
ただ上辺だけの言葉で「転職したいです」と伝えても、面談の様子だけでなく履歴書・職務経歴書の書き方やメールなどのやり取りなどからも本当の本気度は伝わってしまいます。
そのため、キャリアアドバイザーに本気で対応してもらいたいのであれば、まずはあなた自身が転職に本気になることが重要なのです。
キャリアアドバイザーとのやり取りは迅速かつこまめに取る
キャリアアドバイザーとはこまめに連絡を取り合い、やり取りする際は丁寧かつ素早く対応するようにしましょう。
転職希望者の多くは「向こうから情報提供してくれるから待ってればいい」と受け身体制になる傾向が強く、こまめに連絡を取る人はあまり多くはありません。
ですが、受け身の姿勢のままでは全然転職エージェントを活用することはできません。
なぜなら、受け身のまま連絡を怠ってしまうと求人の紹介が後回しになってしまう可能性が高いからです。
つまり、キャリアアドバイザーの中の優先順位を落とされてしまうのです。
こまめに連絡を取ったり、迅速な対応をしたりすることで転職に対し積極的だという印象を与えることもできますし、キャリアアドバイザーといい関係を築くこともできます。
キャリアアドバイザーに好印象を与えられれば、より求人を紹介してもらえるようになるはずです。
なるべく早く返信したり丁寧な対応をするよう心掛け、キャリアアドバイザーからの信頼を獲得するためにも、キャリアアドバイザーとはこまめに連絡を取るのがおすすめです。
登録時の経歴情報はできるだけ詳細に書く
転職エージェントに登録する際は、企業に応募するつもりで出来るだけ詳細に登録情報を入力しましょう。
どんな仕事をしてきて、どんな実績を上げたか、どんな責任(役職)を任されてきたかなどということを、可能な限り具体的に、できるところは数字も用いて表すようにしてください。
詳しく入力すべき理由は以下の2つです。
●売り込み可能な人材かを判断しやすくなり、その後の積極性にも影響するため
●より詳細な情報があると、よりマッチした求人を紹介してもらえる可能性が高まるため
少し面倒に感じるかもしれませんが、登録時の情報を詳細まで記載することは転職を成功させる近道になりますので、手を抜かずに取り組んでみるのがおすすめです。
転職エージェントを複数利用する
転職エージェントを利用した転職活動を進めるならば、エージェントを複数併用し、それを各キャリアアドバイザーに伝えておくのがおすすめです。
より高い売上をより早く得たいと考えている転職エージェントは多いので、転職希望者に合った求人よりも転職エージェント側の都合に合った求人を紹介されてしまうケースも中にはあります。
そういった事態を回避するためには、面談時に「他にも複数の転職エージェントを利用している」ことを伝えることが効果的です。
「しっかりマッチした求人でないと別の転職エージェントに行かれてしまう」と意識してもらうことで、エージェント側の都合で求人を紹介されることを回避できます。
そして、転職エージェントを複数利用すると、その分多くの非公開求人を見ることができる・強みや専門性に応じた使い分けが可能・相性のいいキャリアアドバイザーと出会える可能性が高まるというメリットがあります。
転職成功の可能性を高められるという点からも、複数利用はとてもおすすめできる方法です。
また、キャリアアドバイザーが早く転職させようとあまりにも無理やり意思決定を急かしてくる場合は、自身の都合しか考えてない可能性があります。
こういうキャリアアドバイザーに当たってしまった場合は、会社側に理由を伝え担当変更を申し出ればOKです。
各キャリアアドバイザーの人格や力量には大きく差があることを認識した上で、自分に合った転職エージェントを見極めていくことが重要です。
ポイント②最終的な判断は自分で下す
転職エージェントを有効利用するなら、意思決定を自分自身で行うことも重要です。
キャリアアドバイザーの中には、自身の都合を無理やり押し付けてきたり、あまり希望や意見を汲み取ってくれずただ淡々と対応するような質の悪いアドバイザーもいます。
そういったキャリアアドバイザーが担当だと、叶えたいことを実現できない不本意な転職をする羽目になってしまいます。
そうならないためにおすすめな方法を1つご紹介します。
ここだけは譲れないという妥協できないポイントを伝える
転職エージェントを利用するなら、何のために転職エージェントを使うのかを明確にした状態で活用しましょう。
転職エージェントは転職活動をフルサポートしてくれるとても頼りがいのある存在ですが、エージェントの都合に振り回されたり逆にエージェントに使われてしまったりすると、転職を成功できないばかりか不本意な結果を招いてしまうことになりかねません。
そうならないために、転職エージェントに頼る部分と自分で意思決定する部分との線引きをしておくことが重要です。
また、「この転職で絶対これだけは妥協できない」という希望条件を明確にしておくことも大切です。
そうした軸を持てていると、希望と異なる内容の求人ばかり紹介されたり転職を急かされたりしても、根拠をもって意思決定することができ、転職エージェントの都合に振り回されることもなくなります。
「これだけはどうしても譲れません」と先にキャリアアドバイザーに伝えておくと、そもそも都合を押し付けられる機会を減らすことができるので、転職の軸については事前申告しておくのがおすすめです。
裏側を知れば賢く活用できる!おすすめ転職エージェント3選
最後に、裏事情も理解した上でおすすめしたい転職エージェントを3社ご紹介します。
ここまで、転職エージェント業界の裏側という暗い部分ばかりにフォーカスしてきましたが、ビジネスである以上営利目的な裏事情があるのは仕方のないことです。
転職エージェントは真剣にあなたの転職活動に向き合ってくれます。
ビジネスだからこそ、会社を存続させていくために利用者が信頼して利用できるようなサービスを提供しようと励んでいるのです。
そんな転職エージェントの裏事情を理解した上でメリットを最大限に活かし、賢く転職活動を進めていきましょう!
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、転職活動をするならまず登録しておきたい転職エージェントです。
保有している非公開求人は10万件以上と業界最多求人数を誇っています。
その分サポート対象となる年齢・業種・職種・地域・役職なども幅広く、言葉通り多種多様な求人を豊富に取り扱っています。
そのため、多くの非公開求人を見たい人・それによって視野を広げたい人には特におすすめです。
また、大手の強みを生かしたサポート力や安定した企業への提案力があると定評があります。
転職未経験者や転職エージェントの利用を検討しているすべての人におすすめな転職エージェントです。
doda エージェントサービス
dodaのエージェントサービスは、業界最大手のリクルートエージェントに次いで業界No.2の転職エージェントです。
非公開求人含め約10万件とリクルートエージェントにも引けを取らない求人数を保有しており、大手企業から外資系やベンチャー企業まで幅広く取扱っています。
アドバイスが具体的で細部まで行き届いたキャリアアドバイザーのサポートサービスに定評があります。
まだ転職を検討し始めたばかりという人は転職サイトのdodaに登録して情報収集を進め、本格的に転職活動をスタートする段階になったらdodaのエージェントサービスに申し込むのがおすすめ活用法です。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、他の業界大手転職エージェントと比較すると保有する求人数は多くはありません。
しかし、中でも20代や第二新卒向けの非公開求人が豊富で、20代からの満足度は非常に高くなっています。
新卒領域で培ったサポートノウハウがあるため、初めての転職の支援にも強みがあります。
また、IT・Webエンジニア専任、営業専任のように業界ごとの専任制をとっています。
そのため、各業界・職種の転職事情を熟知したキャリアアドバイザーが転職活動をフルサポートしてくれます。
20代~30代前半の人や業界に特化した情報を収集したい人にはとてもおすすめな転職エージェントです。
ここではおすすめの転職エージェントを3社だけご紹介しましたが、他のエージェントについても知りたいという人は、業種や職種別におすすめのエージェントを詳しくまとめた記事があるので合わせてご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここまで、エージェント業界の仕組みに関する裏事情とキャリアアドバイザーの本音、そして転職エージェントの裏事情を知った上で賢く活用するためのポイントについてご紹介してきました。
転職エージェント裏事情まとめ
★ 転職エージェントは「求職者の転職支援を行う機関」である前に「求人企業の採用代行を行う機関」!
★ 自身の都合で求職者を振り回してくるキャリアアドバイザーも存在することを理解しておく!
★ 転職エージェントの裏事情を知った上で利用することで、よりエージェントを有効利用することができる!
★ 転職エージェントを賢く活用するには、あなた自身の優先度を高める行動を取り、自分で意思決定することが重要!
転職エージェントには、転職支援サービスを運営していくための様々な裏事情があります。
私たち求職者側から見ると、無料で転職活動をフルサポートしてくれる存在だという印象が強すぎて、ビジネスとして報酬を得て運営されている営利団体だという側面が忘れられがちです。
そういった転職エージェント業界の裏事情やキャリアアドバイザーの本音を把握しておくことで、逆にエージェントを上手く使い倒すことができます。
私たち求職者の転職成功というゴールは転職エージェントも同じなので、有効的に利用して賢く転職活動を進めていきましょう。
この記事があなたの転職活動のお役に立てることを願っています。