転職活動しているとよく転職サイトや求人誌などで「未経験歓迎」や「未経験OK」などの文言を目にすることはありませんか?
実際に、希望している転職先の求人でこの文言を謳っていれば、「応募してみよう」「自分にもできるかも」と思うはずです。
しかし一方で、経験がなく応募する場合には、どうしても「実際はどうなのか?」という疑問をどうしても抱くもの。
では実際、転職サイトでよく見かけるこのような文言は、実際のところその通りに受け取って良いものなのでしょうか?
この記事では、その疑問を解消するため、転職サイトの「未経験歓迎」の真意に関してご紹介します。
転職サイトでの「未経験歓迎」のリアルは知っておいて損は無いと思いますので、ぜひ読んで参考にしてみてください。
なぜ企業は転職サイトで未経験を募集するのか?5つの理由
会社によってもその真意は異なりますが、多くは応募の間口を広げる狙いがあると思われます。
それでは、その理由に関してみていきましょう。
1. 現代は空前の人手不足
企業が「未経験OK」で募集を出している背景には、そもそも人手が足りない、という状況があるのは紛れもない事実でしょう。
様々な理由で会社が人材不足になっている場合、すぐにでも人を採用したいと思うもの。
早急に人手が必要な場合、経験がある・なしに関わらず、どうしても人員を確保することを優先的に考える傾向にあります。
人手不足感を証明する指標として、求職者1人につき何件の求人があるかを示した「有効求人倍率」は、現在1.6倍ほど。
この数値はバブル期を超えて、史上最高に匹敵するものとなっており、空前の人手不足と言われています。
このような時代背景もあり、企業は何とかして人手不足を補うために、未経験OKとしているケースは多いようです。
2. より多くの人(特に若手)から応募してほしい
その求人と同じか、あるいは類似する「経験」は、無いよりはあった方が良いのは言うまでもありません。
しかし全くの未経験であっても、より多くの応募が集められた(=候補者が多い)方が、より良い人材を確保しやすくなります。
未経験であったとしても、若年者であれば「年齢や熱意、ポテンシャルが高いだろう」という印象があり、企業によっては経験者より好まれる場合も。
よって、そのように若手を求めている企業の場合は、未経験歓迎としていることが考えられます。
3. 実際に未経験から入社実績がある
過去に、実際に未経験からでも入社した人がいたら、それは過去の前例となります。
そのような実績がある企業は、未経験可能を採用することに、全く抵抗感がありません。
さらに、その未経験から入社した人がめざましい活躍を見せているようならなおさら。
未経験から実際に入社実績があるかどうかは、会社HPや転職エージェントなどを利用して確かめてみても良いでしょう。
4. 染まっていないので教育しやすい
「未経験歓迎」としている企業の真意として、「未経験者は過去の経験や実績がそれほどないので、教えたことを素直に吸収しやすい」という印象を持っている場合もあります。
経験者は、企業からすると教育するコストがかからず、即戦力として活躍してくれるので重宝する反面、過去の栄光や自分のやり方に固執して、扱いにくい人が多いのも事実。
自社のやり方に自信があって「できるだけ自社の色に染めたい」という思いを持っている企業が、未経験歓迎という求人を出しているということも大いにあるでしょう。
5. 教育・研修体制がしっかりしている
未経験OKと募集している企業は、教育・研修体制がしっかりしている可能性が高いです。
未経験でも研修をして早い段階で戦力にすることができるという自信があるから、未経験でもポテンシャルが高い人材、長期的にどこまでも伸びていく未経験の人材を募集しているのです。
もし仮に、しっかりとした研修体制が整っていない会社の場合、未経験を採用して戦力になるまでは大変な時間と労力がかかります。
企業にとっては新人を研修している間、その人に支払う給料に加えて、教える側の人件費も経費として掛かります。
そのため、可能な限り経験者が欲しいという企業が大半ですが、教育・研修体制をしっかり整えていて、経費を最小限に抑えられている企業であれば未経験OKとしている可能性は充分にあるでしょう。
未経験歓迎と書いていても経験がない人の枠は少ない可能性も
歓迎と言ってはいるものの、本音ベースでは経験者を採用したい企業は多いはず。
教育する手間やコストは多大であり、その必要性が無い経験者は企業からしてみると重宝され、未経験者より採用されやすいのは現実としてあるでしょう。
未経験歓迎としながら、実際は教育体制などの背景から10名採用するうち1名のみしか未経験者枠が無いということもあるので、注意が必要です。
そもそもどこまでが未経験なのか
一口に未経験と言っても、具体的にどこまでの程度を指すのでしょうか?
結論から言うと、企業により異なるため、明確な線引きはありません。
例えば
「ワードとエクセルはある程度できるのが理想だが、業界知識は一切不問」
「ワードとエクセルの経験も業界知識も一切不問」
という2パターンの条件があったとしましょう。
前者はワードとエクセル経験は求めますが、業界自体の経験は不問としています。
一方後者は、ワードとエクセル経験も業界経験も共に不問です。
未経験OKという求人でも、上記どちらのパターンに属するかは、実際に聞いてみないとわかりません。
数多く存在する企業のそれぞれが求める水準が異なるので、仕方ないことでもありますが、求職者からしてみるとすこし困惑してしまう原因でもあるでしょう。
本音は経験者を希望
先ほども少し述べましたが、本音のところでは企業側としても経験者を求めています。
第二新卒~20代後半くらいの、とりわけ若い層であれば話は別かもしれませんが、30代前後以降の年齢であれば、経験がない人よりもある人を採用したいと考えるもの。
経験者の場合、未経験者よりも知識や経験値が多いことは言うまでもありませんし、その分野に精通していることから、より戦力化する(=利益を生み出す)のも早くなります。
このような背景から、「未経験歓迎としている求人であっても未経験者と経験者の両方で応募があった場合は、経験者が採用されるのはよくある」という認識は持っておきましょう。
異業種転職を成功させるためにするべきこと
「経験も知識もないので、仕事を覚えていけるか不安」と悩んでいる人も少なくないと思います。
異業種への転職は同業種への転職とは違い、経験や知識面が足かせとなり成功するハードルは高くなるのは確か。
しかし、本人の努力や姿勢によって、それもカバーすることができます。
ここでは、未経験者が異業種転職を成功さるためには、具体的にどうしていけば良いのかご紹介します。
実際に勉強・経験する
応募する人の中には「経験はや知識一切問わない」という文言を見て、とりあえず求人に応募してみた、ということもあると思います。
未経験OKという言葉をそのまま捉えて何も勉強をせずに面接に臨んでしまうと、面接の中で、業界に関する研究や業務に関する関心・スキルなどが薄いと指摘される可能性があります。
「未経験OKと書いていたのになぜ?」「求人の表記と違う」という疑問を持ってしまいますよね。
ですがたとえ未経験でも良いという表記があっても、やはり何も知らなくていいのかと言えば、決してそうではありません。
応募する以上は、企業側も「興味があって応募してきている」と考えるのが当然。
興味があれば、その企業が出している求人に関連することは勉強したり、研究したりしたうえで、面接に臨んでいるはずです。
参考
・さわりだけでも、その業務に関連する資格の勉強をしてみる
・関連業務を体験できる場(セミナーなど)があれば、参加してみる
など、未経験者だからこそ、その業務に関係することの興味や知見をなるべく深めたうえで、面接に臨む必要があります。
業界研究をはじめとした情報収集に努める
異業種への転職をよりしやくするためには、事前の情報収集が肝心です。
異業種への転職を考えたとき、業界や業務の情報が希薄になりがち。
特に今までとは全く関連性のない業界であれば、ほぼ情報はないという人も多いでしょう。
そうすると、その業界の実情を知らないまま転職をしてしまい後悔することになったり、情報不足が面接で見抜かれて採用をもらえなかったりと、良いことがありません。
情報収集の方法としては、
参考
・インターネットなどで情報を集める
・希望業種に知人がいれば話を聞いてみる
・転職エージェント転職サービスを利用し、情報を集める
など、できることはいくらでもあります。
異業種への転職を考える上で、情報不足は転職成功の大敵。
転職を考えている業界が、過去の経験と異なる分野であるほど、自分は何も知らないという前提でみっちり情報収集しながら動くのがベターです。
経験がなくても採用されやすい職種と仕事内容
この章では、数ある職種や仕事内容のなかでも、未経験者が採用されやすい傾向にあるものをピックアップしてご紹介します。
マイナビ転職の調査によると「職種未経験者歓迎」の割合が多い職種は、美容系(94.7%)や販売系(93.6%)、配送系(90.3%)などが筆頭。
以下に詳しく解説していきますので、転職先の職種や仕事内容を考えるときに、参考にして頂ければと思います。
*数字はいずれも「マイナビ転職」における2017年調査のもの
参考:「マイナビ転職」
美容系
美容系は未経験可能としていることが多い職種です。
仕事内容としては、新規開店に伴う化粧品店での受付係、エステティシャンなどがあります。
未経験可能な理由として、
新規出店が多く人員が必要
人柄ややる気、美容への興味を重視している
給与ベースがそれほど高くないので応募が少ない
などが挙げられます。
給与ベースは少し低めかもしれませんが、花があり、周囲からも憧れられる仕事でもあります。
販売系
販売系も未経験で採用されやすい職種の1つ。
仕事内容は代表的なものとして、スーパーや百貨店などでの商品販売、キャッチなどです。
未経験OKが多い理由としては、
どちらかというと不人気なため経験より人物・やる気重視
特別な技術や経験が必要なことがほぼない
給与ベースがそれほど高くないので応募が少ない
などが挙げられます。
販売系と一言で言ってもいろいろあるため、給与や仕事内容の難易度などはピンからキリまでありますが、総じて未経験歓迎の求人が多いので、採用されやすいといえるでしょう。
一例ですが、販売系の仕事で経験とスキルを積んで「営業系」の仕事にキャリアアップするのも良いキャリアプランだと思います。
配送系
配送系も未経験可能の求人が比較的多い傾向にあります。
仕事内容としては、運送会社におけるトラックドライバー、宅配会社における荷物宅配ドライバーなどが代表的です。
未経験OKな理由としては、
人員が足りず人手不足
体力仕事なので学歴やスキルよりも元気さを重視
運転をすることから危険が伴うため人気が低め
などが挙げられます。
配送系は、未経験OKの中でも収入が高いことが大きな特徴。
暑い日や寒い日も外で重い荷物をもって配送しなければいけないので、体力に自信がある人であればチャレンジする価値はあるでしょう。
給与が良い分、短期間でしっかり稼いで起業や資格勉強の費用を稼ぐなどという目的がある人にはもってこいの仕事でしょう。
未経験歓迎職種に共通することは?
同サイトには、未経験歓迎の仕事として他にも多くの職種が挙げられていますが、これらには共通する理由があります。
その多くは、「仕事が忙しい」「スキルや知識より人物重視」といった背景があります。
これらの職種は人に接する仕事だったり、体力仕事だったりストレスがかかるでもあるため、離職率も比較的高めな傾向にあるのも人手不足の原因の1つ。
つまり、このような傾向のある職種は、経験よりも人物・熱意を重要視しているためり、応募すれば比較的選考が進みやすいと言えます。
【経験不問】人気のIT業界はどうなのか?
経験なしでも採用されやすい業種を紹介しましたが、近年人気のIT業界もその例にもれません。
また、IT業界はその専門性の高さもありますが、ニーズも年々増え成長してきている業界でもあるため、未経験でも受け入れるという企業も増えつつあります。
経験不問とされていることが多いIT業界における3つの職種に関して深堀りします。
IT営業
IT営業とは、情報システム開発やソフトウェアの導入、Webを活用したマーケティング、Webサイトやコンテンツ制作など、IT関連サービスの営業活動をする仕事です。
例えば、企業がIT製品を作っても、それを販売することができなければ売上は上がりにくいでしょう。
その製品の知識はもちろん、ITに関連する知識を幅広く持っていなければ、お客様にも説明できませんし質問にも答えられませんよね。
このように、エンジニアやデザイナー、クリエイターのような実務能力が伴う仕事だけでなく、その知識を活かして営業していくという仕事もあるのです。
IT営業は、今後伸びていく業界のため将来性があり、収入も高い傾向があります。
ただ、営業職ならではの厳しい面もあります。
営業ノルマがある
残業時間が多め
タイトなスケジュールになることもある
など、多かれ少なかれきつさも伴う職種であり、離職率も低くないため、人手不足になりがち。
その点が未経験歓迎ということにも繋がるのでしょう。
WEBデザイナー
WEBデザイナーとは、企業のWEBサイトやホームぺージなどのデザインをし、作成に携わっていく仕事です。
とてもクリエイティブな仕事であり、デザイン力をはじめ、HTMLやCSSなどのいわゆるプログラミング言語のような専門的なスキルも必要になります。
一見、資格や豊富な経験が必要にも思えますが、決してそうではないケースも。
入社時に実務経験は無くても、働きながら身に着けることができますし、学校などに通いながら勉強している人もいます。
このように、WEBデザイナーの求人に関しては、OJTや独学でカバーできる点もあるので、未経験歓迎としているところ企業も少なくありません。
※HTMLとは? 参考:「HTMLクイックリファレンス」
※CSSとは? 参考:「CSSクイックリファレンス」
WEBマーケティング
WEBマーケティングとは、商品やサービス購入のため、WEBサイトやホームページへ集客するための施策を行う仕事です。
どんな良い商品やサービスでも、目に留まり購入に至らなければ企業の売り上げにも利益にもなりません。
そこで、如何にしてWEBサイトやホームページに集客させるかを考えたり、マーケット分析をしたりするのがWEBマーケティング。
スキルとしては、SEO(検索エンジン最適化)、HTML、CSSといった専門的なものが必要となります。
しかし、
・IT業界経験がなくでも、マーケティング自体の経験があれば、それをWEBで応用できる
・SEOなどの専門スキルはOJTやセミナー、独学などでカバーできる
という面も。
こうした点が、未経験でも可能という理由になっているのでしょう。
※出典: 検索エンジン最適化 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
求人を探すのが大変なら!エージェントがおすすめ!
そんな時に活用して頂きたいのが、転職エージェント。
様々なエージェントがありますが、それぞれに得意分野や独自の特徴があります。
ここでは、未経験職種への応募を考えた時に活用してほしいエージェントをご紹介します。
未経験の転職に強いエージェントはこの4つ
転職エージェントも様々ありますが、特に未経験の転職に強いエージェントは次の4つ。
・リクルートエージェント
・マイナビエージェント
・パソナキャリア
・就職shop
それぞれの特徴に関してみていきますので、参考にしてみてください。
1.リクルートエージェント
求人数や実績も申し分なく、ぜひ登録しておきたいエージェントと言えるでしょう。
リクルートエージェントの特徴は、
特徴
・業界ナンバー1の転職エージェントである
・求人数が多く、独自のサポートや転職ノウハウも豊富
・知名度抜群で利用者も多く信頼できる
などがあります。
キャリアアドバイザーも専門的な知識を豊富に持っており、サポートにも手厚いため未経験者が転職するときは頼れる存在になるでしょう。
2.マイナビエージェント
主に若年層の利用者が多く、20代向けのエージェントとして圧倒的な実績と求人数を誇っています。
マイナビエージェントの特徴は、
特徴
・知名度があり、未経験の転職実績も抜群に多い
・20代や第二新卒にも強い転職サイトで、若年層から特に支持されている
・キャリアアドバイザーの質が高い
などの特徴があります。
リクルートエージェントと双璧をなす有名エージェントのため、求人の数、質ともに業界屈指のレベル。
登録しておいて損はないエージェントといえるでしょう。
3.パソナキャリア
パソナキャリアの特徴は、
特徴
・手厚いサポートで未経験者の転職に強い
・業界・職種ごとに専門のキャリアアドバイザーがいるため正確で質の高いアドバイスが受けられる
サポート体制は業界ナンバー1との声もあるほどの手厚さ。
業界・職種ごとに専門のキャリアアドバイザーが在籍しているため、特化した確かな知識と経験に裏打ちされたアドバイスを受けることができます。
未経験者の転職では、必ず押さえておきたいエージェントでえしょう。
4.就職shop
就職shopは、主に未経験やフリーターを対象とした就職支援を行うエージェントです。
運営しているは、あのリクルートグループ。
就職shopの特徴は、
特徴
・未経験の第二新卒や既卒に特化しているため、アドバイスも未経験者に特化している
・書類選考が不要で面接まで進める
フリーターや社会人経験なしの人でも紹介してもらうことができ、未経験向けの求人も多数あります。
応募書類が不要という点も未経験者にはうれしいポイント。
未経験者の転職についての実績と信頼は、折り紙付きの転職エージェントです。
IT業界に強いエージェントはレバテックキャリア
ITに強い転職エージェントはレバテックキャリアです。
こちらはエンジニアの転職求人のみを扱ったサイトで、ITに特化しています。
主な特徴として、
特徴
・登録から内定まで最短9日というスピーディーな対応
・エンジニア採用に特化した独自の面接対策
などが挙げられます。
IT関連専門の転職サイトになっているため、その道を目指す人にとっては登録必須のエージェントと言えます。
もっといろんな転職エージェントを比較検討したい人は、おすすめのエージェントをランキング形式でご紹介している記事があるので、こちらも合わせてチェックしてみてください。
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まとめ:転職サイト・エージェントを利用してキャリアチェンジしよう!
企業が「未経験OK」「未経験歓迎」と求人に書く真意がお分かりいただけたと思います。
ここまでのポイントをまとめてみましょう。
ここまでのポイント
- 未経験可能としているのは、人手不足や若手を求めているなど、様々な理由がある
- 未経験の基準は企業によっても異なる
- 未経験職種への応募の際は、職種の研究や事前の勉強を怠らない
- IT業界は未経験可能が多く、将来性、収入面も含めて特に狙い目!
結論としては、未経験でも入社はできますし、なかでもIT業界は近年人気上昇しており、未経験が転職する選択肢としてはおすすめです。
転職エージェントも様々あり、未経験採用に特化したものやIT業界に強いものもあります。
「未経験歓迎」や「未経験OK」という求人に応募する際には、研究や勉強も並行しながら、様々な特長を持った複数の転職エージェントを活用していくのがベストでしょう。
この記事が、少しでも未経験職種への転職成功の助けとなれば嬉しい限りです。