「なんだか最近、仕事に対する意欲が出ない……」
「仕事のことを考えると憂鬱な気持ちになる……」
そんな風に感じていませんか?
仕事が辛いと感じているときは、どうしても「自分が悪い」と感じてしまいがちです。
しかし、実のところ、仕事が辛いのはあなたのせいではない場合がほとんどなのです。
今回は職場でのストレスの原因と対処法についてご紹介しますので、ぜひ確認してみてください。
仕事が辛い?多くの人が仕事で感じるストレス理由ベスト6
業務でのストレスには、どれも決まったパターンや傾向があります。
まずは、典型的な職場で与えられるストレスを、種類ごとに分解して確認していきます。
人間関係
どのような集団においても、人間関係のこじれは大きなストレスになります。
特に職場では長時間同じ人たちと一緒に過ごすので、他人のちょっとした癖などが気になりだすと、それだけでストレスに感じてしまいます。
普通の友人関係と違って簡単に距離を置けるものでもなく、じっと我慢している場合がほとんどだと言えるでしょう。
上下関係や利害の発生しやすい職場においては特に、単純な相性の良し悪しだけではないトラブルも起こります。
例えば、部署内での権力争いが発生すれば、それだけで職場全体の雰囲気が悪くなってしまいます。こうした人間関係のすれ違い、トラブルは、多くの働く人たちが抱えている悩みです。
仕事中のミス
業務を行っていくうえで、ミスはどうしても避けられません。
ミスをしてしまった本人はかなりのダメージを負いますが、これも仕方のないことです。
失敗してしまったという事実へのストレスだけではなく、間違った部分をやり直したり、先方に謝罪を入れたりすることも、相当なストレスです。
ただ、問題はミスをした先にあります。フォローしてくれる先輩社員や上司も少なからずいるでしょうが、中には怒るだけ怒って「後はお前で片付けろ!」などという人もいます。
そういう場合は、さらに強いストレスが掛かってしまうのです。
自分の技量と業務内容のミスマッチ
仕事をこなすために必要な技能を持っていないにもかかわらず、人員不足などから難しい業務を命じられることもあるでしょう。
仕事の中で覚えていけるような内容であればまだしも、じっくりと時間をとって勉強することが必要となることもあります。
その業務をこなしていくことで自分のスキルアップにも繋がりますが、ストレスは強く感じるはずです。
こうした業務を命じられた場合、周りの上司や先輩社員もあまり知見がなく、誰も頼りにできない状態、ということも少なくありません。
こうした場合は、技術や業務の進め方を教えてもらうこともできず、一人でストレスを抱えこむことになってしまうのです。
特に新人教育がまともにできていない企業では、このような無茶ぶりとも言える仕事の割り振りが常態化していることがよくあります。
そのような環境で仕事をしなくてはいけない新入社員が強いストレスを抱えてしまうのは、当然のことと言えるでしょう。
職場環境
「3K(きつい、危険、汚い)」などという言葉もあるように、職場環境は仕事を選ぶうえでの重要な判断基準です。
実際に入ってみたら想像していたよりもずっと劣悪な労働環境で働かされる場合が多々あります。特に問題になりやすいのは、残業時間です。
労働基準法に抵触するような長時間労働、長時間残業が平然と行われていても、実際に傷病者が出るまでは環境が改善されにくい実情があります。
また、サービス残業など、残業代の出ない違法な労働が「普通のこと」とされている職場も、残念ながら多いのです。労働時間があまりに長くなると、睡眠時間を削るしかありません。
睡眠は貴重なストレス回復の機会です。きちんと睡眠をとらないことで、どんどんストレスを溜め込みやすい状態が生み出されていきます。
仕事量
長時間の残業とも関連しますが、そもそも個人に与えられている仕事の量が明らかに多すぎることがあります。
また、達成が不可能なほどの莫大な営業ノルマを課されているような場合も同様です。
こうした業務量を与えている職場では、仮にそのノルマを達成することができたとしても、さらにそれ以上の無理難題を押し付けられてしまうことがほとんどです。
与えられた仕事をやり切ることは達成感に繋がり仕事の意欲を向上させますが、仕事を完遂できなかった場合にはどうしても、ネガティブな気持ちになってしまうものです。
その上、できなかったことを叱責されることがほとんどでしょうから、精神的に参ってしまうのは当然と言えます。
悩みの相談先がない
こうしたさまざまな職場での悩みも、誰かに相談することができれば、少しは解決する可能性があります。
しかし、職場内での人間関係が希薄だったり、労働組合や人事担当者が従業員のために動いてくれない職場だったりすると、悩みを共有することも難しくなります。
職場内に打ち解けて話ができる相手がいない、あるいは相談するための窓口部署がないことで、自分の内側にストレスを溜めていってしまうのです。
仕事が辛いから辞めることは逃げ?
仕事を辞めたいと言うと、こういう言葉を投げられることがよくあります。
結論から言うと、そんなことはありません。
辛い仕事はいつまで経っても辛いままですし、辛いことを辛いということは甘えでも何でもないのです。
確かに、どんな仕事であっても、辛く、逃げ出したい瞬間というものは存在します。
ですから、仕事でごく小さなミスをしたという程度で辞めるのは、おすすめできません。
しかし、辞めたいと思うほどに辛いのであれば、話が違います。
それほどに厳しい職場環境、業務状況なのであれば、辞めてしまったほうが身のためです。
特に、上で挙げたようなストレスを感じている方は、退職も含めて、職場や労働の環境を改善することを考えたほうがいいでしょう。
辛い仕事を耐え続けることのデメリット
ですが、精神的にダメージの大きい仕事を続けることは、実は多くのデメリットを抱えているのです。
そのマイナス面を知らないと、気付かないうちに損をしているかもしれません。
自分の幸福度が下がる
「明日も仕事か、イヤだな」と思いながら眠りにつくというのは、決して幸せなことではありません。
自分が好きな仕事、楽しいと思える仕事をしていれば、そんな風に思うことは無くなります。
長時間労働、高ノルマの状況が変わらない
残業時間が非常に長い場合、その職場にしがみついていても、一向に長時間労働の状況は改善されません。非常に高い営業目標が設定されている場合も同様です。
こうした過重労働の場合、多くは企業の体質に問題がありますから、抜本的な解決はなかなか望めないのが現実です。
健康被害
労働環境が悪かったり、十分な睡眠が確保できないほどの労働時間であったりすると、健康にも悪影響です。
体調面での不調を感じたら、迷わずにしっかりと休息を取ることを強くおすすめします。
精神、肉体の両面から蝕まれてしまうと、理性的な判断が難しくなってしまいます。
「この仕事を辞めてはいけない」という強迫観念に駆られて、肉体的に限界を迎えるまで働き詰めてしまう人もいます。
ひどい場合では「こんな状態なら死んだほうがマシだ」と、最悪の決断をしてしまうこともあるのです。
時間のムダ
人間が生涯で使える時間は限られています。
自分がどれほど楽しく、よりよく生きられるかは、その時間の使い方によって左右されます。
起きている時間の半分以上を費やす「仕事」という時間が不幸せなものであれば、人生の半分以上を、楽しくない状態で生きているということになるのです。
それは、自分の人生にとって「時間のムダ」と言ってもいいのではないでしょうか。
社会のためにもならない
あなたが辛いと考えている仕事を何とか頑張って続けた場合、その企業はあなたの頑張りの分だけ業績を伸ばし、新卒採用や中途採用をより積極的に行うでしょう。
採用された人たちは、何らかの問題を抱えていて、労働者が辛いと思いながら働いているような企業に入社してしまったことになります。
上でも述べた通り、過重労働を行わせるような会社は、そもそもの企業体質に問題がある場合が少なくありません。
そのため、どれほど人員が増えたとしても、過重労働を前提にして事業を拡大し、結果誰の業務負担も減らないという事態が発生します。
辛いと思いながら無理をして働き続けることは、さらに多くの不幸な労働者を生む可能性を高めているのです。
疲れが抜けない?!心が限界に近いサイン8つ
次に挙げるような体調、気分の変化があった場合は、要注意かもしれません。
アルコールやタバコの量が増える
ストレス解消のためにお酒やタバコを適量楽しむことは、大きな問題にはならないでしょう。しかし、以前と比べて飲酒量、喫煙量が明らかに増えている場合などは要注意です。
アルコールやニコチンには、一時的にストレスを解消する効果がありますが、ご存じの通り健康への悪影響も避けられません。
体調に異変が生じる前に、一度職場や身の回りのストレス要因をチェックしてみましょう。
食欲異常
急にまったくご飯が食べたくなくなったり、驚くほど大量に食事をとったりするような場合も要注意です。
どちらの症状が出やすいかは人によって異なりますが、自分でも驚くほど食事に対する意識が変化するので、自覚しやすい症状であるとも言えます。
睡眠障害
なかなか寝付けなく、目覚めもあまり良くないというパターンが多いようです。
また、休日の朝はしっかりと起きられるというケースもあります。
質の良い眠りが得られないと、ストレスがうまく解消されず、辛い状態が悪化する危険性が高くなります。
体重の大幅な増減、体型の変化
お酒や食生活の変化、睡眠の質の悪化などで、極端に体重が増減し始めます。
また、デスクワークや営業で長時間労働を強いられている場合は運動するための時間も削られてしまうので、筋力が低下して、全体的に締まりのない体型に変化しやすくなります。
考えたくないのに仕事のことが頭から離れない
さらに悪化すると、家に帰ってからも、仕事のことが頭から離れなくなり、精神的な休息時間が消えます。
ある程度翌日の段取りを考えるくらいのことは問題ないとしても、家に帰った後も仕事のことしか思い浮かばないようになり始めたら、注意しましょう。
倦怠感、無力感、虚無感
何をするにも気力が湧かず、楽しかったはずのことでさえ、とてもつまらないものに感じることがあります。
また、「自分が頑張ったとしても何も変わらない」「仕事をしていることに意味があるのか」など、ネガティブな思考が頭を支配します。
ただ毎日職場に通っているだけで憂鬱な気分になり、誰とも話したくない、誰とも接触を持ちたくないというふさぎ込んだ気持ちになります。
理由もなく泣く、突然怒りだすなど、感情が不安定になる
何も悲しいことがないのに、突然泣いてしまって止められなくなることがあります。
感情の調整がうまくいかなくなり、とめどなく涙があふれてくるのです。
また、些細なことで怒るようになったり、突然笑いだしたりと、情緒が不安定になりやすくなります。
幻覚、幻聴などの感覚異常
いるはずのないところに人影が見えたり、聞こえないはずの声が聞こえたり、何を食べても味がしなくなったりします。こういう症状があった場合は、仕事を休んで病院で診てもらいましょう。
中には「そんなことくらいで仕事に穴を開けるわけにはいかない」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、うつ状態や適応障害、統合失調症などの状態に近く、ほぼ確実に何らかの精神的疾患を抱えていると言って差し支えないでしょう。専門家である医師の指示を仰いでください。
乗り越える方法6選
不満やイライラをどう減らすか、また受けてしまったストレスをどのように解消するか、ぜひ確認してください。
ストレスの原因を特定する
まずは、あなたが抱えているストレスの原因を見つけましょう。
頭の中だけで考えがまとまらないようであれば、職場に対する不満を箇条書きにしてみてください。
そうすることで、主に職場のどういった点にストレスを感じているかが浮き彫りになります。
何が問題になっているのかがわかったら、次は仕事から来るストレスを減らしていきます。
仕事の質、仕事の量、勤務待遇など、不満に思っている点を変えてもらう
なかなか自分から申し出るのは難しいかもしれませんが、職場内での業務や待遇の見直しを求めましょう。
自分のスキルに合っていない仕事をしていると感じているのであれば、具体的に「この仕事は自分では手に負えない」ということを明言し、ほかの仕事を割り振ってもらえるように交渉するのです。
また、業務量が多いと感じているのであれば、定時に帰れるような業務量の振り替えを求めましょう。
これらを言い出すことで一時的に高いストレスを感じるかもしれませんが、結果として業務の質、量が改善されれば、その後のストレスは低減されていきます。
社内に相談相手を、社外に愚痴の相手を作る
会社の中に、悩みを共有できる人間関係を構築しましょう。
理想的なのは、お互いに似たような悩みを抱えている同期入社の方です。
どのようにしたら仕事がより良くなるか、またどういったところが改善されると問題が解決するかなど、互いに建設的な意見を出し合うことで、業務上のトラブルを解決し、ストレスを抑えることが可能になります。
一方で、会社外に、愚痴を言える友人を作っておくこともおすすめです。
会社の中では言いにくい上司や同僚への不満などを漏らすことで、一時的にストレスを解消できます。
ただし、会社外の知人に対する愚痴は将来発生するストレスへの対処にはならないので、あくまでも「起きてしまって、もうどうしようもないことへ不満」を言うに留めておくことが望ましいでしょう。
疲れていても楽しめる趣味を見つける
頭の中から仕事のことを1度完全に追い出すことが大切です。
そのためにも、何か趣味を持つことが理想と言えます。ただ、仕事の都合上、長い時間拘束されるような趣味は難しいという場合も多いでしょう。
音楽を聴いたり、絵を見たり、というような、心と体が疲れていても手軽に楽しめる趣味を見つけてみてください。
できれば少しの運動を
散歩などの軽いものでも構わないので、1日30分程度の運動を行うのが理想的です。
運動を行うと頭の中の情報が一度整理されやすくなり、仕事で抱えている課題点などがはっきりと見えてくることがあります。
運動習慣は健康の維持増進のためにも役立ちますので、ぜひ生活の中に取り入れましょう。
最終手段は、無理やり定時で帰る
もし、仕事のノルマが過剰であり、それがストレスになっているのであれば、「定時に帰る」ことが対処法として有効なこともあります。
どれだけ仕事を残したままであったとしても定時に絶対帰るという働き方をすると、会社としても割り振る業務を減らさざるを得ません。
上司や同僚からの評価はかなり悪くはなるでしょうが、あなた自身の健康を守ることができるのは、あなただけです。
健康状態に問題が生じ始めている場合には、この手段を使ってでも、ご自身のことを大切にしてください。
乗り越えることが難しい場合は転職もアリ?
そのような場合は、今勤めている会社に見切りをつけて転職するという選択肢もあります。
日本は従来終身雇用型の年功序列社会と言われてきましたが、近年では大きく様変わりしています。
世界の先進国同様に、転職によって待遇を改善していくことが普通の価値観となりました。
転職を希望する方のための支援サイトや、転職専門のリクルーターも多くなってきています。もし辛くて仕事を辞めたいという場合には、転職エージェントを利用しての転職活動がおすすめです。
転職の相談はプロにお任せ!おすすめの転職エージェント
転職を希望していても、自分の希望に沿った条件の会社かどうかを一人で下調べするのは非常に難しいことです。
また、特に待遇面などの細かい話は、直接企業には聞きにくいと思います。
転職エージェントは、こうした転職希望者の求めている情報を、求職者に代わって確認してくれます。また、事前に企業と打ち合わせをしておいてくれるので、面接までの流れがスムーズです。
しかも、転職希望者の利用は無料であることが一般的です。
転職者にとっては、非常にありがたい存在、それが転職エージェントなのです。
ただ、一口に転職エージェントと言っても、多くの企業が転職仲介業として候補に挙がってきます。転職エージェントを選ぶ際に基準としたい項目は、以下の4つです。
希望条件が選択できる
仕事が辛いと感じての転職であれば、その辛くなってしまった原因がない職場を選びたいものです。例えば長時間労働が原因であれば、残業がないことなどを優先事項として相談できるのが理想です。
自分の応募内容に対して強みがある
転職エージェントによっては、IT系に特化している場合や、特定の地域に特化している場合があります。
あなたの求める仕事と違うものをあっせんしてもらっても仕方がありませんので、自分の希望している職種や勤務待遇、勤務場所などの条件に強みを持っているエージェントに依頼するようにしましょう。
転職後のサポートが手厚い
転職が完了した後も、職場内でのトラブルがあった場合に相談に乗ってくれるのが転職エージェントの利点です。
アフターサポートが充実しているエージェントであれば、転職先でも安心して働くことができるようになるでしょう。
まとめ.仕事が辛いと感じたら、一人で抱えこまずに誰かに相談してみよう!
それでも解決が難しければ、転職のプロである転職エージェントの力を借りて、新しい人生を切り拓いてみてはいかがでしょうか。